ウトナイ湖ワークキャンプの始まり

  自然保護の元祖ワークキャンプ inJAPAN !?

 ウトナイ湖サンクチュアリは、日本初のサンクチュアリとして
(財)日本野鳥の会が1981年に開設しました。

オープンのために一年前から夏と春に、外壁に丸太をつけたり、観察小屋を作ったりする作業を、ボランティアを募集して行いました。こういった自然保護のボランテイアが日本で行われたのも初めてのことでした。

この後も、野鳥の会が主催で夏休みや冬休みに1週間から1ヶ月程度の不定期の長期ボランティアを募集し、ワークキャンプを行ってきました。ここ
で、肌で自然保護のボランティアを体験した人の中には、今でも自然保全活動の第一線で活動している方も多いそうです。


1980年。ウトナイ湖サンクチュアリサマーキャンプ。ワークキャンプの始まりイチャーセンターの外壁の焼き丸太を作る作業。見るからに熱い人達ですね。

けれど、このワークキャンプは受け入れ側の苦労が大変なものだったので、だんだん継続していくのが難しくなってしまいます。

当時のレンジャーの苦労話
企画&告知&事前資料のやり取り&係の割り振り&会計&献立&買出し&まとめ・・・といった、現在のボランティアワークキャンプではF.A.Nの学生自身が行っている事を全てレンジャーが1人で行っていました。

相当きつかったですねー。告知は野鳥の会の会誌で行っていましたが、思うように参加者が集まらない事もあり、かける労力とボランティアワークキャンプで作り上げられる様々な成果とのバランスは破綻していました(^^;;;)。

現地とF.A.Nの架け橋に・・・

そういうわけで、1995年の1月でこの野鳥の会の主催するウトナイ湖のボランティアワークキャンプが終了することになってしまいました。ところが、人手のいる作業はまだ残っていたのです。「現場では人手を必要として困っている!一方、F.A.Nでは自然保護の現場の活動を求めている!」ボランティアワークキャンプの参加者の1人だったF.A.Nのスタッフはそういう状況を見て、この両者を何とか結び付けたいと考えました。

そこで、これまで鶴居で行ってきたF.A.N主催の10日間程度に期間を限定したワークキャンプが、このウトナイ湖でもできないだろうかと思い、レンジャーに提案してみました。それがきっかけで、
1995年春からF.A.N主催のワークキャンプが実現されることになったのです

1995年春。ウトナイ湖サンクチュアリのF.A.N主催の第一回目のワークキャンプ。マガンの紙芝居を作成しました

1995年春。第一回目のワークキャンプの参加者のみなさん。

 

F.A.Nのワークキャンプに思うこと 
           
現地受け入れ人:原田 修レンジャー




左が原田レンジャー



ボランティアに指導する原田レンジャー。みんな真剣!

F.A.Nのワークキャンプは、事前に作業の説明や、日程調整や食事の献立などといった準備を行ってから現地に来ているので、作業の効率も良いし、レンジャーの負担もかなり軽減され、以前と比べるとかなり楽になりました。

印象的だったのは、6年前に鶴居でF.A.Nのワークキャンプを再開する時に、それまではサークルの顔見知り等が固まって来るような状況から、アルバイト情報誌やHP等で一般公募の形になったことにより、参加者の裾野が拡がったこと、一期一会のメンバーでやる緊張感と終了後の達成感や連帯感がとても良いです

F.A.Nがワークキャンプを続けさせてもらえている秘訣は何でしょうか?

お互いに得られるものが大きいことが、継続できている理由の一つでしょうね。

ワークキャンプが学生にとってどのようなものであってほしいと思いますか?
ボランティアワークキャンプという非日常的な体験を、自分達の生まれ育った自然や社会環境の中でどう活かしていくか、それを考えるきっかけになればいいですね。


鳥の楽園、ウトナイ湖でのひとこま

                   

 

インタビューにお答えいただいた原田さんは以前、ウトナイ湖サンクチュアリで受け入れをして下さっていたレンジャーです。そして現在も鶴居・伊藤タンチョウサンクチュアリでF.A.Nのめんどうを見てくださっています。F.A.Nはこれからも受け入れをして下さっている方々のお役に立てるよう、頑張りますのでよろしくお願いします。

 

取材協力:原田 修、佐藤 方博、勝田 信明、長岡 滋雄(敬称略)

<土屋 史>

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