お見送りありがとう!

F.A.Nでのワークキャンプが始まって10数年が過ぎ、様々な歴史を刻んできました。そんな中で、昔はあったけど今ではないもの、今はあるけど昔にはなかったものがあります。ここではワークキャンプヒストリーに刻まれた、今はもうない一大イベント(!?)をご紹介します。

タイトルにあるように、これは昔、ワークキャンプ地へ向かう参加者の見送る時のお話です。なぜ、今はなくなってしまったかというと・・・。
それは読んでからのお楽しみ!!

                                


1995年夏。フェリーターミナルで見送り。


1999年夏。キナシベツワークキャンプ参加者を日大節で見送る柔道部員。(当時F.A.Nには日大柔道部員多し!)釧路航路がなくなり、これが最後の見送りとなりました。

夜の11時、仕事を終えた、かつてワークキャンプを築きあげてきたF.A.NのOB・OGや、そのワークキャンプには行けない学生の仲間たちが、東京湾の有明フェリーターミナルに集まってきてきました。
「フレー、フレー!」
とか、何かやれよ〜。」とフェリーに乗り込んだ、北海道へと旅立つ学生に向かって叫んでいます。船の上では、盆踊りを踊ったり、歌を歌ったり・・・(もちろん他の乗客のいる中で^^;)日本大学、東京農業大学、千葉大学の学生が多かったので、日大は“日大節”、農大は“だいこん踊り”を披露。「千葉大は何かないのか〜?」とからかわれていました。

フェリーが出航すると、岸壁から車のライトをフェリーに向けてピカピカと点灯させ、フェリーからも持参した懐中電灯で照らし返していました。時には岸壁で花火を打ち上げ、港の人に叱られてしまったことも・・・(笑)。


あの見送りを振り返ると・・・ 
        インタビュー:片山 透さん(OB)



しみじみと語る片山さん
あの情景は、なんとなーくほのぼのとしたものでしたね〜。初めてワークキャンプに参加した時、始めは「いったい、何???」という感じでした。けれど、だんだん「ああ、いろんな人が関わっていて、そしていろんな人に見守られて出航していくのだな〜。」と感じてきて、期待と不安を抱えて旅立つ中、心温まるものでした。



実は、昔は(といっても1999年まで)東京の有明から釧路や苫小牧行きのフェリーの便があったのです。この見送りは、いつの間にか恒例の伝統行事になったそうです。

今は、フェリーは茨城県の大洗から苫小牧間の便しかなく、この伝統行事は悲しいことに消えてしまったのです。ずっと続いてきた伝統行事がなくなってしまったのは、とても寂しいことですが、OB・OGの先輩方は今でも、鶴居・キナシベツ・霧多布へと向かう参加者を羽田空港まで、ウトナイへ向かう参加者を上野駅や大洗まで見送りに来て下さっています。

昔からF.A.Nにはこんなにゆかいな人々がたくさんいたこと、そして今でもワークキャンプに旅立つ私達を温かく応援してくれる方々がたくさんいるということを記憶に留めておきたいものですね。

ウトナイ湖ワークキャンプだけは今も大洗〜苫小牧間のフェリーを使っています。
「あっ、あれは北海道!! かな?」

 

取材協力:片山 透、勝田 信明(敬称略)

<土屋 史>

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