S.50年代の
  社会と自然保護
    
   
      昭和50年代(1975年頃から)に入り、野鳥の会が自然保護の新しい方法をはじ
    める。サンクチュアリ運動だ。反対運動という、いわば守りの活動から、攻めの自然
    保護の活動が始まったのだ。

   自分達で先手を打って豊かな自然の残された場所にサンクチュアリを設置し、保
    護区をつくり、ネイチャーセンターという自然保護の拠点をつくる。そこに自然保護の
    プロとも言えるレンジャーを常駐させ、サンクチュアリの自然を保全し、周辺の保全を
    進めていこうという、画期的な方法であった。
  
     このころでは学生たちの活動は多様化し、運動の考え方を持つ者、反対運動の反
    省から、自然環境のデータを集める者、自然に子供たちを関わらせるための観察会
    を進める者が それぞれの活動を行っていた。
     一方で、自然保護ではなく、自ら自然に接することを望む者が増え、バードウオッ
    チングや自然観察会が学生たちの中心の活動になってきたようだった。

      特に有名だったのは、
          早稲田大学生物同好会   日大動植物研究会     
          慶応大学野鳥の会      法政大学野鳥の会
          千葉大学ガラパゴス     東邦大学野鳥の会  などのサークルだ。

      この他に、野鳥情報のやりとりを中心とする大鳥連というネットワークまであった。
     今と違い、学生一人一人が携帯電話を持っている時代ではなかったのに、どこか
     で珍鳥が出ると、一日のうちにその情報がすべてのサークルのメンバーに知れ渡
     っていたというのだから驚きだ。

     このうち、F.A.Nと深くかかわりのあのが、
          
日大自然保護研究会      東海大自然保護研究会
          明治大学自然保護研究会   東京農大自然保護研究会


       の4つの保護の研究会から成る、
しっぽの会だ。後に述べるが、学生バードソ
      ンを企画・運営したのも、このしっぽの会の有志メンバーだ。後に駒大自然保護
      研究会も加わる。
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