2006年春のワークキャンプ

ウトナイ湖サンクチュアリ

チーフコーディネーター 丹野恭子(東京農業大学4年)

【開催地】(財)日本野鳥の会ウトナイ湖サンクチュアリ(北海道苫小牧市)
【開催期間】2006年3月5日(日)〜3月11日(土)6泊7日
【スケジュール】
3/5(日)
オリエンテーション
ガン・カモの勉強会
展示物作成
レンジャーセミナー

3/6(月)
展示物作成
自然保護セミナー

3/7(火)
展示物作成
野外セミナー事前勉強会

3/8(水)
野外セミナー
野外セミナー振り返り

3/9(木)
展示物作成
ナイトハイク

3/10(金)
展示物作成
交流会

3/11(土)
大掃除
ワークキャンプ全体の振り返り
解散
【活動内容と成果】
●展示物作成
 今回のウトナイ湖ワークキャンプの主な作業として、「マガンのすごろく」と「カモのイエス・ノークイズ」の2つの展示物を作成しました。ウトナイ湖を訪れたお客さんが、マガンやカモの生態や形態について学べる、楽しくてわかりやすい展示物を作ることが目的です。限られた時間の中で、展示物のデザインをみんなで考え、作成し、完成させるということは、実際にやってみるととても難しく、ワークキャンプ期間中に展示物を完成させることができるかどうか不安になったりもしましたが、無事に2つの展示物を完成させることができました。参加者みんなのアイディアを盛り込んだ、この世に1つしかない、すばらしい展示物です。
 また、この作業を通して、参加者自身がマガン・カモの生態や形態についてや、ものごとを“わかりやすく伝える”ということの難しさなど、たくさんのことを学べました。

●野外セミナー
 ウトナイ湖周辺をまる1日かけて、レンジャーさんに案内していただきました。美々川の源流から最後は勇払海岸まで、ウトナイ湖の水の流れに沿ったルートでした。途中には、ウトナイ湖周辺の開発問題に関連した場所へも案内していただきました。
 ウトナイ湖を取り巻く環境を実際に肌で感じ、参加者それぞれが、自然や自然保護について改めて考えさせられました。

●交流会
 ウトナイ湖周辺でボランティアをされている方々をゲストにお招きして、お酒を飲みながら、ゲストの方々が普段されている活動など、様々なお話をお伺いしました。ゲストの方々からいただいた豪華なおみやげの数々や、私たちが作成した展示物の紹介で大いに盛り上がりました!

●セミナー
 ウトナイ湖までのフェリーの中や、ワークキャンプ中の夜に、今回のワークキャンプで必要となる知識を身につけたり、参加者同士がお互いの意見を共有し合ったりする場として、セミナーを行いました。今回は、ボランティアセミナー・ガンのセミナー・自然保護セミナー・ナイトハイクなど、たくさんのセミナーを行いました。
 参加者同士、意見を言い合うことで、お互いに新たな発見や刺激になりました。

【参加者の声】
■ 武田めぐみ(埼玉大学教養学部2年)
 
とにかく感動しました。しかも、映画を見たりなんかして得れるものとは次元が違ったんです。野外セミナーでウトナイ湖に注ぐ川、美々川の源流を見たとき、心の表面ではなく、もっとずっと深いところが打ち震えました。「私」という生き物が一匹、今ここに立っている。その瞳でこの光景を見ている。この地球で今、息をしてるんだ―という喜びが腹のそこから湧き上がってきてなんともいえない気持ちになりました。
 こんな感じで本能的に行動していたので、はじめ自然保護に関して深く考えていませんでした。ただ、「絶対に、
自然とともに生きていこう」と強く思いました。
 そして、具体的な関わり方を考える材料になってくれたのが、メンバーやレンジャーさんやボランティアの方たちでした。
年齢も興味も、学んだ学問も経歴も違う人間が集まって意見をかわす。そんな中で、自分がどういう形で自然とかかわっていきたいのか、が少しずつ見えてきた気がしました。
 ウトナイ湖は私に原点をくれた場所でした。一人でも多くの人に、ウトナイ湖を感じてほしい。そう強く願います。そしてウトナイ湖の自然をだけでなく、ここで会ったすべての人に、感謝しています。ありがとうございました!

■ 小林英太郎(日本大学生物資源科学部2年)

私は、漠然と自然保護のボランティア活動がしたいと思い今回ワークキャンプに応募しました。FAは、サークルのひとからおしえてもらいました。

 初参加ということもありなかなか自分を出すのに億劫になっていました。徐々にセミナーを重ねるごとに意見を言えるようになりました。

 今回のメイン作業であるさいころ作りでは、マガンを題材にしました。ウトナイ湖での生活と春の渡りを小学生以上のひとにわかりやすく伝えられるものをつくるというのが目的でした。現場でマガンを観察しレンジャーさんからセミナーをしていただいておかげで渡りの中継地としてのウトナイ湖の重要性を肌で感じました。構成を考えるにあたりひとりひとりの意見をまとめるのに苦労しました。マガンの生態とすごろくとしてのゲーム性の両方をうまく反映させるのは、大変でした。
毎日、完成できるのか不安でした。しかし、レンジャーさんからのアドバイスもあり無事に完成させることができました。

 この貴重な体験に携わっていただいたFAネットワークの皆さん、ウトナイ湖サンクチュアリのレンジャーさん、ワークキャンプのメンバー、感謝します。最後に、「自然は、すげぇ!」ありがとうございました。
1.自然保護セミナー中 2.野外セミナー 美々川源流にて
3.野外セミナー レイクランドにて 4.展示物製作中
5.展示物完成!! カモのイエス・ノークイズ 6.展示物完成!! マガンのすごろく
7.交流会(完成した展示物で遊んでいるところ) 8.お世話になったレンジャーさんと