2001年夏のワークキャンプ

キナシベツ自然保護区

★開催地 : (社)日本ナショナルトラスト協会・キナシベツ自然保護地区
          (北海道白糠郡音別町直別)

★開催期間 : 2001年8月28日〜9月5日
  8月28日=現地へ移動、開会式
    29日=オリエンテーション、作業(海岸のごみ拾い、ばらせんはり)
    30日=早朝観察会、作業(看板づくり)
    31日=作業(ばらせんはり、看板設置)
  9月1日=作業(ばらせんはり)、ナイトハイク
    2日=十勝海岸道立自然公園設置予定地視察
    3日=野外セミナー(キナシベツ自然保護地区を実際に歩く)、懇親会
    4日=作業(看板設置、車止めづくり、回遊魚遡上調査)、閉会式
    5日=大掃除、解散、残りのメンバーで釧路湿原・摩周湖ツアーへ

★活動内容・成果:
 ごみ拾い、ばらせんはり、看板づくり、車止めづくり、回遊魚遡上調査が今回の作業内容でした。ごみ拾いは短い時間で(30分弱)トラック1台分のごみを拾い、ごみの多さに驚き、きれいになった浜辺はとても美しく見えました。ばらせんはりは今回のメイン作業です。タンチョウの営巣地にもなっており、高山植物が咲き誇る湿原を、町道からの人の侵入を防ぐのが目的です。なれない重労働でしたが、日に日に技術を習得し、終わるころには皆「ばらせんはり職人」になりました。チームワークのよさも発揮し、予定より距離を長く張ることができました。看板づくりは保護地区であることを伝えるために設置しました。3チームに分かれ、それぞれが個性的な看板を作りました。車止めは鮭釣りなどの人が、車で自然海岸に侵入するのを防ぎ、浜辺や海岸草原の植物を守るためのものです。流木を利用し景観的にもまわりととけこむように作りました。これも重労働で砂まみれになりながらがんばりました。回遊魚遡上調査は川に入って網をはり、上流から魚を追いたてて調査します。残念ながら鮭は上っていなかったようですが、40センチほどのアメマスが上ってきていることが分かりました。アメマスのその後は…秘密です。
 野外セミナーでは実際に歩いてキナシベツの自然を満喫しました。湿原、自然海岸、海岸草原、二次林、原生林とさまざまな自然環境が迎えてくれました。湿原の美しい花に目を奪われ、海岸草原の恵みを味わい、原生林の大木に感動しました。自然の美しさを感じると共に、この自然を守るために活動できて良かったと思いました。

★参加者の様子:
 はじめは初対面ということもあり、どこかよそよしさがありましたが、日を重ね、作業を共にするにつれて打ち解け合い、「仲間」となりました。朝起きるのが早い人、遅い人、料理が得意な人、植物が好きな人、鳥を見る人、食べるのが好きな人…。みんなそれぞれに個性を持っていて、それを互いに認め合い、補いながら活動できたと思います。ボランティアは初めてという人が多かったのですが、それぞれに何か感じ、考えながら活動し、帰ってからの自分の生活にも変化が見られたそうです。
 作業は重労働なものもあり、いろいろな道具も使うので、最初はみんなとまどって時間がかかったりもしましたが、慣れてくるにつれて積極的に活動できました。男の子より女の子の方が重労働をがんばっていたかもしれません。
 野外セミナーなどでは本当に間近に自然を感じることができたようです。発見と感動の連続でした。あの時ほどみんなが生き生きしていた時はないのではないかと思うほどです。
 参加者の感想で一番多いのは「また来たい」です。ぜひまたキナシベツの地を訪れて、自分たちの足跡のその後も見てみたいです。 現地での活動はもちろんですが、ワークキャンプのもう一つのいいところは、人との出会いです。今までは見ず知らず、住んでいる環境も全く違う人どうしが集まって、一つのことを成し遂げることができてよかったです。ワークキャンプで出会った人とのつながりはキャンプ後も続き、先日も集まって思い出話に花が咲きました。この出会いを大切にしていきたいです。

★ハプニング・はみだし:
・ 予定の飛行機に乗れなかった…満席で乗れずに2時間半も空港で待つ羽目に。何のために早起きしたのやら
・ 雨のため作業できず…予定の作業を変更し自然公園予定地視察へ、車での移動のためみんなぐっすり。受け入れ先の榊原さんごめんなさい。
・ 参加予定者がこない!?…現地合流の参加者が突然キャンセル。みんなどんな人なのかとても楽しみにしていたのに会えなくて残念。
・ 鮭を買ったら鮭をもらった…買い出しで鮭を買っていったら、差し入れで鮭を一匹いただいた。キャンプの食卓には毎日のように鮭が登場。
・ 朝寝坊続出…夜型人間と朝型人間が半分ずつ。起こしても起きないので、なべとフライパンが大活躍。

キナシベツの風景 宿泊場所の前の風景です。牛舎の建物が見えます。
榊原さんは、今は芝生と牧草を作っています。
バラセンがしっかり固定できるように気を使う。
かすり傷もたくさんできました。
お昼ご飯はおにぎり(当りつき)を持っていき外で食べ
ます。潮風がとても気持ちいい!!
作業現場へ向うトラックの荷台。つなぎを着て長靴を
はいて道具袋を持って。今日も頑張ろう!
完成した車止めの前で撮影。みんな作業後のすがす
がしい顔をしています。この流木を運ぶのがたいへん
だった。