コアジサシってどんな鳥?

4月中旬頃になると日本の水辺に渡来する夏鳥で、細長く先の尖った翼とスマートな体が特徴です。空中を滑るように飛んでいるかと思うとホバリング(停空飛翔)をしながら餌を探し、水中に小魚を見つけるとダイビングして獲物をとらえます。コアジサシの身のこなしはとても優雅で、青い空に白い翼がよく映えるきれいな鳥です。

夏の間中、本州以南の海岸・内湾・港・河口・河川・湖沼・池で見られ、夏が終わるとはるかオーストラリアやオセアニアへ渡っていきます。

求愛と繁殖について

コアジサシのオスはメスに求愛するとき自分でとらえた小魚をプレゼントします。メスがこのプレゼントを受け取れば、めでたくカップル成立です。

コアジサシは海岸や河原、埋立地などの砂地や礫地にコロニーをつくって繁殖します。コロニーの規模は数十から数百羽、大きな繁殖地では数千羽にもなります。

絶滅の危機!

コアジサシは環境省の日本版レッドデータブックで絶滅危惧U類に指定されています。近年、数が激減しているといわれています。その原因はコアジサシを取り巻く環境の悪化にあると考えられています。コアジサシのコロニーは、本来、海辺の砂地や河川の中州など、自然地形に形成されていました。しかし河川改修などの開発行為やレジャーなどにより、営巣に適した場所がほとんどなくなってしまいました。そのため、近年では大きなコロニーが形成されるのは人工の埋立地や造成地に限られています。このような場所は容易に開発されてしまうのです。コアジサシのすみかは今、どんどん失われています。


コアジサシ 小鰺刺 チドリ目カモメ科

学名 Sterna albifrons sinensis
英名 Little Turn
全長(TL)22−28cm
翼開長(WS)47−55cm