谷津干潟  


現在、F.A.Nでは谷津干潟で「ソロモンの指輪プロジェクト」を行っている。都市近郊で週末に気軽に参加でき、楽しみながらボランティアができる。この、谷津干潟での活動はどのように始まったのだろうか。

94年に谷津干潟自然観察センターがオープンした。鶴居サンクチュアリでワークキャンプの受入をしていてだいていた、富岡さんが谷津の初代チーフレンジャーになる。ここでF.A.Nと谷津干潟のつながりが生まれた。

当時の野鳥の会は市民参加の施設にしたいと考えていた。習志野市は、草刈をしなければならなかったが、予算がなく、困ってたので、F.A.Nに声がかかった!
F.A.Nの活動目的は学生に対して自然保護の場を提供することであり、当時そのフィールドを探していた。その「活動の場を広げたい」思いが野鳥の会の思いと合わさって、谷津干潟でのボランティアを開始する。
当時は今のように多くのボランティアが入ることはなく、活動しているのはF.A.Nだけだった。F.A.Nは1年間、自然観察指導のボランティア(来館者対応がメイン、時々環境管理活動も)を行った。シフトを決め、時間どおりに毎回必ずボランティアにやってきたので、市との信頼関係ができた。

94年夏。谷津干潟自然観察センターでの草刈ボランティア。
これがきっかけとなり、ボランティアの導入が始まる。


そして、センターは95年からボランティア養成講座を開き、F.A.N以外にも多くの人がボランティアとして活動するようになった。
他団体の多様な活動がセンターで行われるようになると、F.A.Nの中でも「こういうことをやりたい」という声が上がるようになった。
そして、96年春から「ソロモンの指輪」という環境教育プログラムを開始する。


〜ソロモンの指輪とは〜

・「ソロモンの指輪」の生みの親(原案)は当時事務局長の瀬古、それを谷津干潟自然観察センターのレンジャーさんたちの手助けでバージョンアップした!

それは95年冬のウトナイWCでの出来事だった。、休憩時間にセンターに来た親子連れの子どもが望遠鏡でハクチョウを見ているのを見た瀬古らが、いたずら心で
おもしろいことを思いついた!
子どもの近くにさりげなくトランシーバーを持っていき、もう一つのトランシーバーを持った瀬古が2階の部屋に隠れて話し掛ける。

「こんにちは」
予想以上に子どもは好反応!
「僕、どこから来たかわかる?」
「シベリアから来たんだよ?」                    
と会話して、楽しいひとときを過ごした。        

・そのちょっとした遊び心を、当時の谷津干潟チーフレンジャー富岡さんが聞いて、谷津でもやろう、ということになった。企画ミーティングを開いて、実現へこぎつけた。
最初は、スクリーンに鳥を映して、ソロモンの指輪でその鳥と会話するプログラムだった。イヤホンとマイクを用いて舞台裏の人が話した。現在のように外に観察に出たりしなかったし、衣装や王様もなかった。劇仕立てになったのは瀬古が4年のときである。

もっとシンプルではなく、違ったことをやろうという話が出た。
ソロモン王のスクリーン、CDの効果音などでよりムードを広げる話になった!

96年に小日向中心に「探検家バージョン」「使いの者バージョン」の2種類のプログラムが出来上がった。
01年には田島・羽生を中心に「探偵もの」に変更した。千葉大生が増え、常連のお客さんもいるので新しいことをやろうよ、という気運が高まった。
そして現在、小林中心に新しいプログラムを作成中である。

活動には遊び心が大事!深く考えず、盛り上げること、楽しいことに拘ってプログラムを作ってきた。遊び心に溢れた谷津干潟での活動は変化し続けている。